PARC Audio 13cm フルレンジ(DCU-F131W)
#スピーカー #PARC_Audio #自作スピーカー #スピーカー・ユニット
DCU-F131Wは、PARC Audioのウッドコーン3兄弟であるDCU-F131W(13cm), DCU-F121W(10cm), DCU-F101WII(8cm)の中で最も大きな13cmのユニット。
table:spec
unit name Z (Ω) SPL (dB) F0 (Hz) Qts Vas (L) Sd (cm^2) mms (g) Xmax (mm) Qes Qms Re(Ω)
DCU-F131W 6 87.0 48.60 0.545 9.395 75.43 7.487 0.587 7.57 4.5
DCU-F121W 6 86.5 72.40 0.514 3.96 55.42 5.050 0.557 6.75 5
DCU-F101W2 6 82.0 86.50 0.718 1.667 30.19 2.954 0.733 10.066 5
3兄弟の特徴は、中高音が美しく、特にピアノの音色が良いところ。
それに加えて、このDCU-F131Wは、口径が大きいだけでなく、密閉型にも適すという点で、エンクロージャーの選択肢が多い点が特徴。F0/QesはEBSと呼ばれ、50以下は密閉箱に適し、50~100は密閉箱とバスレフ箱の双方に適性があり、100以上はバスレフ箱向きとされるが、DCU-F131WはF0が小さくQesがそこそこ大きいことからEBSが3兄弟の中では唯一80台となり、バスレフ箱と密閉箱の双方に向く。(本ページの末尾にWinISDを用いたシミュレーション結果を記す)
私はDCU-F131Wをとても気に入っている。売れ筋は10cmのウッドコーンと思われるが、この13cmユニットは、低音がしっかり伸びるので、満足度の高いユニットである。高音が弱い点は8cmとも同様なのだが、安価なフルレンジと比べると中音の満足度が高いので、(13kHz以上が聴こえない)私の耳には(ボーカル曲を聴く分には)十分だし、もし、高音が物足りないと感じたら、アドオンのツィーターを足したら良い(実は、私自身も足した方が音が良くなると感じている)。
ニアフィールドで聴くにはもったないユニットなので、音量を上げて聴きたい。(三兄弟の8cmはニアフィールド向けと思う)
エンクロージャ製品の選択肢は、飛びねこさんのエンクロージャの一択のようだが、バスレフで十分な低音が出せるし、推奨バスレフ箱の図面をPARC Audioさんが公開されているので、設計スキルがなくても一定水準以上の箱を自作可能。
私は、DCU-F131Wを載せたスピーカーを2セット持っている。いずれも中古品で入手しており、ひとつはオリジナルの自作品で、それがとても良かったので、飛びねこさんの箱をユニット付きで中古で入手。
自作していないのは、大きいので(今の私のスキルで)試作を繰り返しても、試作箱の置き場所/廃棄に困ると思っているから。一方で、たとえ完成品のエンクロージャであっても、開口径が大きいので中に手を突っ込んで作業しやすいメリットがある。吸音材を調整したり、補強を加えたりと、自作目的で学べることがあるので、手持ちのスピーカーに対して、少しずつ、手を加えていこうと思っている。市販品のスピーカーと比べると断然カスタマイズしやすいし、その効果も確かめやすいので、お勧めである。
#日記 #2024年 #10月18日 2024年10月-18 20:21
PARC Audioさんが限定販売した10cmユニットのDCU-F127Wをウッドポケットさんのバスレフ箱に納めたら、これはずば抜けて良かった。口径も特性も異なるが、音色が近くF0もDCU-F131Wと同程度なので、他の特性の違いを理解するのに良い比較サンプルになると思う。
DCU-F131Wは、吸音材調整や、特性の勉強目的で聴くのは勿体ないので、ちゃんとセットアップを突き詰めたいところ。両方とも、最適化したアドオン・ツィータを載せて対決させた方がフェアな気がするし、また、なんとなく、DCU-F131Wには、箱も自作した方がよさそうな気がしてる。長い道のりになりそうだ。
#日記 #2024年 #3月20日 2024年3月-20 09:17 吸音材の効果を実感した
飛びねこさんのDCU-F131W箱を、すぐに鳴らせる状態で中古で入手した。バスレフポートを、ダクト穴をくり貫いた板を重ねて形成してあるので、ダクト由来のノイズが少ないと期待できる。
が、しかし、いざ鳴らしてみると、パイン集成材の箱鳴りが酷く、とても聴けたものではなかった。それで、中を開けて見てみると、吸音材が全く入っていなかった。
入手した箱は、塗装までしてあり、それなりに手をかけて作ってあるのだけれど、吸音材が入っていないだけでなく、ユニットにガスケットをつけてないし、内部ケーブルへのファストン端子の圧着もお粗末だった。前のオーナーは、スピーカーの組み付けを完了させないまま手放してしまったのか、手放す際に吸音材を他のスピーカーに移したのか分からないが、おかげで、私は後述するように吸音材の効果を確かめることができたので、良い経験となった。
私が実施予定の組み付け修正は以下の 4 点:
1. 箱鳴り対策
吸音材
補強?
2. ファストン端子の交換
3. ガスケット(パッキン)の作成(ガスケットついてた。薄かったので気付かなかっただけ。)
4. ボルトの交換(アーレンキーで回せるように変更)  (飛びねこさんのサイトでは30mm程度の長さのボルトを用意するように書かれていたが、20mmでも大丈夫だった。)
箱鳴り対策といっても、パイン集成材は箱鳴りしやすい素材なので、定在波に起因する強烈な箱鳴りを抑制することを目指す。吸音材については、吸音材の調整をしたことがなく、効果のほどを把握できていない私はちょっと不安だった。吸音材だけではどうしようもなければ、側板に突起物をつけて定在波対策をしたり、角を中心に補強を入れたりしようと考えていた。突起物には、バーチ合板の端材を使う、金属の板にする、などの選択肢がある。金属の方はアングルで良いかと思っているが手持ちにないので、バーチ合板の端材を接着してみようと思う。
とはいえ、まずは、水槽ろ過フィルターを切らずに適当に放り込んで、吸音材がどの程度の効果を持つのか調べてみた。
結果
吸音材は、定在波対策として有効
吸音材は、中高音を吸収するので、ポートからの中高音の漏れも減らしたい人には一石二鳥。逆に、ポートから漏れ出る中高音を活かしたい人は、板の内部表面に凹凸を付けるなどの対策
水槽ろ過フィルターは吸音材として有効(板に接着せずに、ふんわり板のそばに仮配置)
側板を一面覆うだけでは足りなかった
側板、背板、天板の3面を覆うように吸音材を配置したら、良い感じになった。
たぶん、まだ吸音材が足りないと思うだのけど、エージングが不十分だったせいか、聴き込むうちに、かなーり中音がよくなっているので、ボーカル専用なら、むしろこのままの方がいいかも。周波数特性を測れば、どうすべきか方針が立つのかも。
継続して以下を検討する。
今後の検討事項
補強
測定系の確立?
水槽ろ過フィルターを増量するか、シンサレートに交換するかどうか(シンサレートの方が低音を吸収するらしいので、違いを出せる気がする)
課題を残しつつも、DCU-F131Wは良いユニットだと思う。中音が良く、低域側が伸びているので、サブウーファーなしに楽しめる。後述するように、アドオンのツィーターを加えるとさらに良くなるので、高音が弱いのは確かなのだけど、中高音がいいので、ボーカルを聴く分には、ツィーターを加えなくても楽しめる。
最近は、WavecorのFR085シリーズ(FR085CU02,ONTOMO MOOK stereo編)やPeerlessのPLS-P830985など6cmユニットばかり聴いていて、ワイドレンジであることにかなり満足していたのだけど、DCU-F131Wの余裕のある鳴りっぷりはさすがに小口径では再現できないので、口径の大きなユニットの良さを実感。
飛びねこさんの箱ですが、低音が伸びており、音場も広く、素晴らしい。吸音材は少なくとも内部の3面覆う必要あり。
#日記 #2022年 #12月4日 2022年12月-4 20:0 PARC Audio DCU-F131Wを入手した
ヤフオクで、PARC Audio の13cmのウッドコーン・ユニットであるDCU-F131Wを組み込んだスピーカーを入手した。
安く入手したのだが、かなりの実力を持っていて、手持ちのフルレンジが増えた今も時々聴きたくなって鳴らしている。
DCU-F131Wは、PARC Audioが現在販売しているウッドコーンの中では最大のフルレンジ・ユニット。
PARC Audioのフルレンジ・ユニットの特筆すべきは、女性・男性ボーカルの声がとてもリアルなところ。ピアノの音色もかなり自然。チェロも美しい。
そして、この13cmユニットは、中音域の魅力を損なわずに、低音域をかなり下の方まで伸ばしている点(F0=48.6Hz)が特徴。私はPARCの8cmユニットも持っているが、スペースさえ許せば、13cmの方が断然お勧め。欠点は、15〜25L程度の大きな箱の方がフィットする点か(PARC Audioさんの推奨箱は、15L。私の持っている箱は11Lと小さめだが、それでも大きいには違いない)。
このユニットは、高音が大人しいので、ツィーターを加えると、空間表現力が増し、低音・中音の質感も向上するので、別次元のスピーカーになる。音量を上げて協奏曲などを再生すると、ほんとに間近で聴いているかのような感覚になる。
フルレンジ側をカットせずにツィーター側にコンデンサのみのハイパスフィルターをつける場合、ツィーターの能率に依るが、10kHz〜40kHzのクロスオーバー周波数でアドオンのスーパーツィーターとつなぐと良くなる。お勧めは、PARC Audio社のDCU-T114Sで、ウッドポケットさんの話では、このツィーターは能率が良いので、1μFのコンデンサ(クロスオーバー40kHz程度)を挟んでDCU-F131Wと並列接続するとフラットにつながる。実際に、私もその組み合わせで試して、相性の良さを確認済である。
手持ちのエンクロージャは、容積を増やす以外にも改善の余地があって、板の響きがよくないかも。厚さ18cmのパイン集成材で作成されており、厚みは十分な気もするが、内部に桟をいれるなどして補強してはどうかと考えている。あと、飛びねこさんが、板を積層してバスレフ・ダクトを作成したのは、ダクトの振動を抑えるためだと思うので、ダクトを丈夫なものに交換できると良いが、箱を作り直す他ないかも。箱を変えるなら、飛びねこさんのものを購入するか、自作するのであれば、箱とダクトを強化した上で、フロントバッフルの材質を変えるかも。
箱が悪者であるかのように書いたので、フォローをすると、譲っていただいた箱は、見えるところだけではなく底面もちゃんと塗装されており、それどころかスピーカーの内側も塗装されているので、私も見習いたいと思っている。集成材は湿気で歪みやすいので、しっかり塗装した方が良いからだ。バッフル背面のざぐりがない点は少し残念だが、現状のままでも低音はかなりしっかり出ているので、このままで良いと思う。箱によっては、男性の話し声がこもったりするが、そういうこともなく、動画やテレビニュースの視聴にも不満なく使える。
スペック
ユニット
6Ω, 87dB, 48.6Hz〜20 kHz
エンクロージャ
11Lバスレフ箱
材質: パイン集成材
サイズ(W,H,D): 200x330x270 mm (t18 の板厚)
WinISDシミュレーション例
11.8Lバスレフ箱@41.85Hz(緑)
14.8L密閉箱@63.81Hz(青)
バッフルステップ補償した密閉箱作って聴いてみたくなる特性。
F特性
https://gyazo.com/64bf34ffd6e2bbca92dffc488a515480
遅延(ms)
https://gyazo.com/2e7704c9cbd6706b06806191d36d7eae